2024年度 工学部電気電子工学科長(大学院 総合科学技術研究科工学専攻 電気電子工学コース長)の二川 雅登です。
電気電子工学科での教育
電気電⼦⼯学科および⼤学院・電気電⼦⼯学コースでは充実した教育を準備しています。
⼊学直後には,できるだけ円滑に⼤学の講義に溶け込んでもらえるよう教員を囲んだ少⼈数セミナーを⽤意しており,またロボット製作実習を通じて電気電⼦⼯学の基礎に触れる創造教育実習が皆さんを待っています。2年⽣になると「情報エレクトロニクスコース」と「エネルギー・電⼦制御コース」の2つのコースに分かれ,興味ある分野で専⾨科⽬の講義を思う存分受講することができます。3年⽣からは1,2年⽣で受けた知識を活かし,より専⾨的で実践的な実験実習に取り組みます。そして最終学年の4年⽣では各⼈が研究室に配属され,指導教員のもと卒業研究に取り組みます。⼀つの研究室に数名が配属される真の意味での少⼈数教育を取り⼊れているため,指導教員から丁寧な個⼈指導を1年間みっちりと受けることができます。その後,全体の7割弱にあたる学⽣が2年間の⼤学院修⼠課程へ進学し,さらにその⼀部が3年間の⼤学院博⼠課程へと進学していきます。
このような⼀貫した綿密な教育研究プログラムの下で,電気電⼦⼯学のジェネラリストから特定の技術領域のスペシャリストまで,先導的技術者や研究者の育成が⾏われています。
電気電子工学科での研究
電気電⼦⼯学は社会の基盤技術であり様々な分野に応⽤されています。特に地球温暖化やSDGs,Society 5.0などで電気電⼦⼯学の重要性は益々増えており,社会からの強い期待と要請がかつてなく⾼まっています。
電気電⼦⼯学科では今注⽬を集めている様々なテーマ,例えば,医療応⽤,情報・通信,エネルギー,センシング,計測・制御,光電⼦応⽤,⾃動⾞電動化などにおいて先進的な研究が⾏われており,そのための基盤的研究として,モーター・パワーエレクトロニクス,画像センサ,先端計測,集積回路,⾳声処理,通信,環境モニタリング,アンテナ(他に多数,順不同)について精⼒的に取り組んできています。さらに,スズキ寄附講座では⾃動⾞⼯学を元にした電気自動車の駆動システムに関連した研究が⾏われています。
静岡大学工学部の立地と関わり
三河と遠州にまたがる三遠地域は⽇本の⾃動⾞産業の⼀⼤集積地であり,その中⼼地として浜松市は発展してきました。また,浜松市は⾃動⾞産業だけでなく,楽器・⾳響業界においても突出した地位を築いてきており,近年は光エレクトロニクス(ニュートリノの研究で⼀躍有名になった光電⼦増倍管発祥の地)も盛んになってきています。皆さんもご存じのように,三遠地域を故郷とする豊⽥佐吉,本⽥宗⼀郎,鈴⽊道雄のほか,この地で業務を⾏った⼭葉⻁楠など多くの先⼈が世界から認められる技術を⽣み出してきました。
このような地に静岡⼤学浜松キャンパスがあり,私たちも三遠地域の更なる産業の発展に資するべく,⽇々電気電⼦⼯学の教育と研究を実践しています。
在校生の皆さんへ
⼤学で学ぶ内容はそれぞれの専⾨分野のいわゆる⼊⾨レベルであり,決して難しくないものの,どの分野でも新しいことを学ぶときには努⼒して理解する必要があります。当学科,コースでは,学⽣の皆さんが質問しやすい環境となるよう,さまざまなサポートや少⼈数教育に⼒を⼊れています。また⼤学での研究⽣活は⾃由度も⾼く,皆さんがアイディアを出して研究を行うことができます。教員は豊富な知識で研究活動をサポートします。皆さんが静岡大学で努⼒したことは必ず皆さんの未来に役⽴ちます。
昨今,新型コロナウイルス感染症問題や環境,平和などの多⾯的な不安による就職難も⼀部取り沙汰されていますが,当学科・コースの就職内定率はリーマンショック以降も毎年ほぼ100%と⾮常に⾼い⽔準を維持してきました。その理由は,これまでの教育研究が社会で評価されているからであり,今後もそのような素晴らしい教育研究をさらにブラッシュアップしていきます。
学生の皆さんはチャンスをつかんでいます
浜松キャンパスのS-Port(正⾨すぐ左⼿)の前にある⾼柳健次郎先⽣の像だけでなくその横のIEEEマイルストーンも御覧ください。IEEEマイルストーンは世界に約200件(⽇本に約40件)あり,「技術の分野のノーベル賞」と⾔われています。このIEEEマイルストーンがキャンパス内にある⼤学は⽇本でもとても少なく,学⽣の皆さんは,そのような偉業を感じられるキャンパスで教育研究を受けられるというチャンスをつかんでいます。ぜひそれを活かしてください。
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学⽣の皆さん,ならびに研究者の皆さん,共に切磋琢磨しましょう。また,保護者の皆様,社会の皆様には私共の研究活動にご理解をいただき,今後ともご⽀援とご協⼒を賜りますようお願いいたします。